【年賀状】取引先に送るときのビジネスマナーを徹底解説

取引先への年賀状のマナーを徹底解説

年始の挨拶は、ビジネスの場でも重要なことです。過去に取引があった休眠顧客へのアプローチや顔つなぎにできる良い機会です。1年に1度ですが、それでおつきあいは途切れずにつながりを維持できます。ここでは、ビジネス年賀状の書き方について解説します。

年賀状がビジネスチャンスにつながることも

「取引先へ年賀状を送らなければならない」という決まりはありません。年賀所を送らないことで取引先との間に問題が生じることも少ないでしょう。実際、マイナビ転職の調査によると、取引先や顧客に年賀状を送る人の割合は24.1%。特に、20代や30代では送る割合が低くなっています。

出典:マイナビ転職「取引先や顧客への年賀状、どうしてる?」

しかし、送る人が少ないからこそ、年賀状を送ることで、取引先との関係を深めるきっかけになる確率が高いとも言えます。
また、年賀状はメールと違って“営業感”がなく、見てもらえる可能性は高いし、手書きのメッセージがあればなおさらです。デジタル化やペーパーレス化が進んでいる現代だからこそ、年賀状からビジネスチャンスが生まれる可能性があります。

ビジネス年賀状の書き方/宛名面

年賀状を出す際に、書き方に悩む人も多いでしょう。出すこと自体にはマナーがなくとも、書き方にはマナーがあります。先方に失礼がないようにしなければなりません。

ビジネス年賀状の宛名面の書き方やマナーは次の通りです。

取引先の住所

取引先や目上の方へ年賀状を出す場合は、都道府県を省略せずに書くのがマナーです。改行する場合は、住所や番地の途中ではなく、建物名などで改行するようにしましょう。

縦書きのため、番地や階数などの数字は漢数字で記載します。「一三」のように続くと読みづらい感じは「十三」と表記しましょう。なお、建物名に含まれる数字や郵便番号は算用数字(1、2、3・・・)を用います。

取引先の会社名・部署名

会社名は住所と同じ高さ、もしくは1文字空けて書き、長い場合も改行はせず1行で収めるようにします。社名に株式会社などがつく場合も、(株)のように省略は禁物です。これは年賀状もビジネス文書も同じです。

部署名は、会社名の下に1文字分空けて書き始めます。長くなる場合は、部署名で改行して書いてもかまいません。

取引先の役職・氏名

取引先の役職と氏名は、はがきの縦中央部分に書きます。 氏名は中央に大きめの文字で書くようにしましょう。役職は、氏名より一回り小さな文字で氏名の上に書くのが適切です。役職名が長く氏名の上に書けない場合には、氏名の前の行に記載します。

また、個人宛の場合は「様」、部署宛に送る場合は「御中」と適切な敬称を選びます。

差出人の住所・氏名

差出人の住所や氏名は、左下に小さめの文字で記載します。そのほか、必要に応じて電話番号やFAX番号、メールアドレスなどを書いても良いでしょう。

裏面に差出人について記載する場合は、表面(宛名面)には記載しなくても問題ありません。

ビジネス年賀状の書き方/メッセージ面

新年の挨拶を述べるメッセージ面(裏面)の書き方やマナーについて紹介します。

賀詞

賀詞とは新年を祝う言葉で、「寿」「迎春」「謹賀新年」などがあります。

1文字や2文字の賀詞は省略形でビジネスシーンでは適切ではありません。取引先や目上の人へ年賀状を出す際の賀詞は、漢字4文字の賀詞を使います。「謹賀新年」「恭賀新年」など、より丁寧な表現のものを選択するようにしましょう。もちろん「謹んで新春のお慶びを申し上げます」といった文章の賀詞を用いることもできます。

挨拶文

ビジネス年賀状の挨拶文には、以下の3つの要素を入れる必要があります。

  • 感謝やお礼の言葉
  • 取引先の幸福や繁栄などを願う言葉
  • 新年もよろしくお願いしますという意味の言葉

この時、「去る」「失う」「絶える」などの忌み言葉を使うのはタブーです。「去年」も好ましくありませんので、「旧年」「昨年」と表現します。また賀詞との重複にも注意が必要です。4文字の賀詞を用いた場合には、「おめでとうございます」など文章の賀詞を加えないようにしましょう。

日付

日付は、「令和五年」「二〇二三年 元旦」のように元号または西暦を記載します。干支を用いる場合には年号は入れず「卯年 元旦」のように書きます。

元旦は元日(1月1日)の朝を意味するので「一月一日元旦」のような重複をしないように気をつけましょう。

ビジネス年賀状を送るときのポイント

ビジネス年賀状を送る際により良い印象を与える2つのポイントを紹介します。

元旦に届くように出す

年賀状は、元旦に先方に届くように出すことが基本です。企業宛に送る場合でも、少なくとも仕事始めの日までに確実に届くようにします。遅れると失礼にあたり、かえって良くない印象を持たれてしまうかもしれません。

元旦に届くようにするために、遅くとも12月25日までに投函しましょう。

手書きの文字を添える

年賀状をパソコンやコピー機などを使って作ることも多いことでしょう。しかし、すべてが印刷されたものは、事務的な印象を強く与えます。普段お世話になっている相手や親しい間柄の人に送るなら、感謝の言葉や近況報告、新年の抱負などを手書きで添えましょう。手書きのメッセージがないと、ただのDMと変わりません。相手を想う気持や心は伝わりません。

一言でも良いので、手書きで言葉を添えましょう。

まとめ

年賀状は、先方と良好な関係を築く、コミュニケーションツールにもなります。書き方やマナーを守り、心を込めて作成した年賀状を送りましょう。