大切なデータを失わないバックアップのテクニック

STEP 2
20年持たせる永久保存術

ハードディスクの寿命は5年と言われています。特に大切なファイルは、CDやDVD、ブルーレイなどの光学ディスクにも保存しておくと10年、条件がよければ20年は持ちますが、保存作業はHDDに比べて時間がかかり、頻繁な保存には向きません。
そこで、頻繁に編集するファイルや追加や削除の多いフォルダは、HDDへの定期バックアップのみとし、編集の必要がなくなったデータを、文字通りオリジナルの「永久保存版」としてCDやDVDなどの光学ディスクに残していきます。


メディアの容量に達したら焼く

光学メディアの扱いで面倒なのは、空き容量の扱いです。
空きスペースが出ないように、保存するファイルで調節しようとすると手間がかかるし、後で探しづらくなります。
かと言って、残り容量を気にしないと不経済なだけでなく、枚数が増えて整理が不便です。
そこで、大切なファイルは最初から光学ディスクへの保存を想定して、メディア1枚分の容量に達したら焼くことにして、計画的にフォルダ管理をします。具体的なやり方は下記の通りです。
まずマイドキュメント内に「永久保存データ」フォルダを作成し、その中に「CDに保存」「DVDに保存」「ブルーレイに保存」、そして「バックアップ済み」というフォルダを作成してください。

手順

  1. 保存するデータごとに記録メディアを決める
    例えば、サイズの小さいExelやWordのファイルが中心のフォルダは「CDに保存」内に、画像ファイルのフォルダは「DVDに保存」内に、動画ファイルのフォルダは「ブルーレイに保存」内に保存していきます。
  2. メディアの容量に達したら、フォルダと同じ名前をつけて焼く
    こうしてそのフォルダが規定容量に達したら、フォルダと同じ名前をつけて焼きます。
    下の容量一覧を参考に、あらかじめ、フォルダ名の末尾に「卒業写真集(667MB)」などと記載しておくと便利です。
  3. 焼いたフォルダは「バックアップ済み」フォルダに移動する
    こうしておけば、ディスクの控えを作ったフォルダが簡単にわかります。
    パソコン内の容量を減らしたいときには、「バックアップ済み」内のデータを捨てることもできます。

パソコン内の容量を減らしたいときには、「バックアップ済み」フォルダの中のデータを安心して捨てられます。


ディスクの実際の容量

例えば、DVDは容量が4.7GBと表示されていますが、実際には4.7GBのデータを入れて焼こうとすると、容量オーバーの警告が出ます。
その大きな原因は、メディアの容量表記が1,000byte単位の計算であるのに対し、パソコン上での容量表記は1,024byte単位で計算されているためで、以下の実質容量を目安にすれば、たいていは大丈夫でしょう。

メディアメディアの表示実際の容量
CD700MB667MB
DVD-R
DVD+R
4.7GB4.3GB
DVD-R DL
DVD+ DL
8.5GB7.9GB
BD-R
(ブルーレイ)
25GB23.2GB

※書き込み可能な容量の上限についてはメディアの品質や書き込み時のファイルシステム、ファイル数によっても異なります。


ライティングソフトの機能を使いこなす

ライティングソフトの機能をうまく使うとさらに便利です。下記に「B's Recorder」を例に便利な機能を紹介します。

画像

書き込み履歴をEvernoteに保存

B's Recorderの場合、作成したディスクの内容(ファイル名、容量など)を履歴としてパソコンに保存しておけます。例えばバックアップディスクを作成してから数年後にファイルが必要になった際に、1枚1枚ディスクを入れて中を確認しなくても、必要なファイルを検索し、該当のディスク名を見つけることができます。
Evernoteのアカウントを持っていれば、記録をEvernoteにアップすることもできます。


確実に焼く

バックアップしたデータが正しくディスクに書き込めていないと一大事です。B's Recorderでは、書き込んだデータが正しく読み込めるかどうかのチェック(ベリファイ)と、元ファイルと同じデータかどうかのチェック(コンペア)を実行できます。


焼いた後のセキュリティ

光学ディスクは持ち運びしやすい分、セキュリティが気になります。B's Recorderは、パスワードを入力しないと中身を見ることができないようにする機能があります。B's Recorderがインストールされていないマシンでも使えるので安心です。


「B's Recorder 11」製品ページ・動作環境
「B's Recorder GOLD11」製品ページ・動作環境


10年か、20年か。耐用年数を長くするコツ

光学ディスクは、ディスクそのものの品質と保存状態で耐用年数が大きく異なります。
一応耐用年数を10年とするメーカーが多いですが、保存の状態により20年以上の保存も可能です。以下が長持ちさせる条件です。

品質のよいディスクを使う

メーカーによりエラーの起きやすさなどに差がでます。

焼いたら確かめる

DVDビデオなどの場合はDVDプレーヤーとの相性で、パソコンでは読めてもプレーヤーで読み込めないことがあります。
焼いたら、必ず再生できることを確認しましょう。

擦れや反りを防ぐ

1枚1枚プラスチックケースに保存するのが理想

不織布やファイル式は、擦れや平滑性の保持が問題

光と高温多湿を防ぐ

光学ディスクは色素を使用しているため、光による品質劣化が弱点

ディスクを収納するケースとその保管場所に注意