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喪中はがきの正しい書き方は?基本マナーや続柄別の文例も紹介

カテゴリ: 年賀状・はがき 2025年09月12日 公開
喪中はがきの正しい書き方は?基本マナーや続柄別の文例も紹介

喪中はがきは、身内や近親者の訃報を伝え、年末年始のご挨拶を控える旨を知らせる手紙です。喪中はがきには、書き方のルールやマナーがいくつかあります。受け取る相手に失礼のないよう、書く前に理解しておくと安心です。

本記事では、喪中はがきの書き方やマナー、送るべき時期や相手、さらに家族連名での表記方法や続柄別の文例なども含めてわかりやすく解説します。喪中はがきを書く際の参考になれば幸いです。

喪中はがきとは?その目的と役割

喪中はがきは、近親者が亡くなった際に「新年のご挨拶を控えさせていただきます」という意思を相手へ伝えるための挨拶状です。日本では、家族や親族を失った悲しみの中では祝い事を慎む風習があり、新年を祝う年賀状も出さないのが一般的とされています。

このお知らせを受け取った相手は「喪中なので年賀状は遠慮したほうが良いのだな」と理解でき、誤って祝辞を送ってしまう事態を防げます。また、故人への敬意や遺族の気持ちに配慮する意味合いもあり、年末年始のやり取りをスムーズに進めるうえで欠かせない存在です。

喪中はがきには、故人の続柄や亡くなった時期、年賀欠礼の旨、そして日頃のご厚意への感謝などを簡潔に記載するのが基本です。詳しい事情や死因までは書かなくても良いため、最低限の情報で相手に心情を伝え、無用な気遣いをさせないようにすることが大切です。

喪中はがきの定義と目的

喪中はがきとは、近親者が亡くなったことで年末年始のご挨拶(年賀状)を控える旨を、相手にお知らせするための通知です。

主に普段から年賀状をやりとりしている方や、ビジネス上で年始の挨拶が慣例となっている取引先・上司などに送ることが多いです。あらかじめ「こちらは喪に服しているので新年を祝う気持ちにはなれない」ことを伝え、相手が知らずに祝辞を送るを防ぐ役割があります。

年賀状を控える理由と背景

年賀状を控える背景には、「喪に服す」という日本特有の文化的慣習があります。

親族が亡くなった場合、一定期間はお祝いごとを慎むのが一般的です。そのため、喪に服している間は年賀状を出すのを控えるのが無難です。

ただし、年賀状を一方的に送らないのは相手に失礼になりかねないため、喪中はがきを送り、新年のご挨拶を控える旨を事前に伝えるのが一般的なマナーとされています。

喪中はがきで伝えるべき内容

なお、喪中はがきに記載すべき内容は大きく3つに分かれます。

まずは誰がいつ亡くなったのかという故人の情報で、たとえば「父○○ が◯月◯日に永眠いたしました」のように続柄や没年月日を簡潔に示します。続いて「つきましては新年のご挨拶を控えさせていただきます」という年賀欠礼の意をはっきりと伝え、相手が誤って年賀状を出さないよう配慮することが大切です。

そして、生前のご厚情に対するお礼や今後のお付き合いを願う思いなどの感謝の言葉を添えます。なお、喪中はがきでは、詳しい事情や死因を記載する必要はありません。あくまで年賀欠礼状であり、年賀状を出せない旨が伝われば十分です。

喪中はがきの基本的な書き方と構成

喪中はがきは、ふだん書く手紙や年賀状と比べて、文面の組み立て方や言葉の選び方に独特の配慮が求められます。おめでたい言葉や華やかな表現を避けるだけではなく、亡くなった方が誰で、どのような理由で新年の挨拶を控えるのかをはっきり示し、相手に余計な負担をかけないようにすることが大切です。

ここでは、挨拶文の始め方や故人の情報の伝え方、年賀欠礼の意をどう書き表すかなど、喪中はがき作成の基本を段階的に解説していきます。文章全体の流れを整理しながら、ご自身の思いや相手への配慮をきちんと盛り込むためのポイントを押さえてみてください。

喪中はがきの基本構成

喪中はがきの文面は、大きく分けて四つの要素で構成されることが多いです。 こうした流れを押さえれば、読み手に失礼なく、ご自身の思いもしっかり届く喪中はがきを仕上げやすくなります。

  • 1.挨拶文
    「喪中につき年末年始のご挨拶を失礼させていただきます。」

  • 2.故人の情報(続柄・没年月日)
    「去る◯月◯日に母 ○○ が永眠いたしました」など、誰がいつ亡くなったかを簡潔に記載しましょう。

  • 3.相手への感謝の言葉
    「生前のご厚誼に深く感謝いたします」などのひと言を添え、相手のこれまでのご厚情に対する感謝と今後のお付き合いへの思いを伝えましょう。

  • 4.日付・差出人
    例:令和○年十一月、差出人の氏名・住所を最後にまとめて記載します。

喪中はがきの具体的な書き方(文例付き)

<フォーマルな文章例>
「謹啓 向寒の折 皆様にはますますご健勝のことと拝察いたします さて 私儀 去る○月○日に父 ○○ が永眠いたしましたため 年末年始のご挨拶を控えさせていただきます 平素より賜りましたご厚情に深く感謝申し上げますとともに 今後とも変わらぬお付き合いを何卒よろしくお願い申し上げます
敬具 令和〇年十一月 差出人名(住所)」

<ややカジュアルな文章例>
「このたびは〇月〇日に母 ○○ が永眠いたしましたため 新年のご挨拶を遠慮させていただきます いつもお気遣いをありがとうございます 落ち着かない日々が続いておりますが これからもどうぞ変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします
令和〇年十一月 差出人名(住所)」

句読点を付けるかどうかは好みや相手の世代などによって変わりますが、弔事では省くのが従来の形式です。相手の気持ちを害することがないよう、句読点を使わないのが無難です。

避けるべき表現や注意点

喪中はがきを書く際には、いくつか注意しておきたい表現があります。まずは「重ね重ね」「度々」「再び」などの言葉です。これらの言葉は忌み言葉(いみことば)と呼ばれ、不幸の繰り返しを連想させることから、避けるのがマナーとされています。相手に不快な印象を与えてしまわないよう、文面全体から排除しておくほうが無難です。

また、新年を祝うようなムードを連想させる文言や華やかなイラストはなるべく控えましょう。喪中の時期にお祝いをイメージさせる要素が散りばめられていると、書き手の悲しみや故人を偲ぶ気持ちが伝わりにくくなり、受け取り手を戸惑わせてしまいかねません。

さらに、弔事の文面における句読点の扱いにも少し気を配ってみてください。昔ながらの形式にこだわるなら、礼状やお悔やみの文章には句読点を付けないのが正式とされます。しかし、近年は読み手の理解やすさを優先し、あえて句読点を入れるケースも増えています。相手や状況を考えながら、伝わりやすさと伝統的なマナーをほどよく両立させることが大切です。

家族・夫婦連名での喪中はがきの書き方

喪中はがきを作成するときに、家族や夫婦で連名にするべきか、一人だけの名義にするべきかで悩む人は少なくありません。特に夫婦連名や家族全員の名前を載せる場合は、誰をどの順番で書くか、子どもをどう扱うかなど、細かなマナーや配慮が必要になります。

ここからは、夫婦連名と家族連名、それぞれの書き方のポイントを整理しつつ、故人との続柄をどのように示すかも含め、具体的な例をご紹介していきます。

夫婦連名で送る場合の書き方

夫婦で連名にする際は、まず夫の名前を先に書き、妻を続ける形が一般的です。「山田太郎 花子」というように一行にまとめても、段を分けて書いてもかまいません。

ただし、妻が旧姓を使っていたり、夫婦で名字が異なる場合には、相手が混乱しないよう括弧書きで補足を入れると分かりやすくなります。あまり多くの情報を詰め込みすぎると読み手の負担になる恐れもあるため、基本的にはシンプルな表記を心がけると安心です。

家族連名で送る場合の書き方

家族全員の名前を載せる場合は、世帯主など代表者の名前を最初に書き、その後にほかの家族を続ける方法がよくとられます。 たとえば「山田太郎/花子/一郎」といったまとめ方で、子どもの年齢や続柄を補足したいときは「長女 ○○」という表記も加えると丁寧です。一方で、「山田家一同」という形で一括してしまう方法もあり、こちらははがきのスペースを節約できるうえに、受け取る側の混乱も軽減できるメリットがあります。

故人との続柄の書き方

喪中はがきでは、誰が亡くなったのかを誤解されないよう、故人の続柄をはっきり示すことが大切です。

「祖母 ○○ が永眠いたしました」「配偶者(妻) ○○ の喪に服しております」というように簡潔に書けば、読み手にも伝わりやすくなります。特に差出人との関係が複雑な場合は、続柄を明確にしておくと相手が誤解する心配も減るでしょう。死因や生前の詳しい様子などを長々と記載する必要はなく、没年月日と続柄を示すだけでも十分に気持ちを伝えられます。

喪中はがきを送る時期と対象

喪中はがきを送るうえで、「いつまでに出せばいいのか」「どの相手に送るべきか」はよくある疑問です。タイミングを逃したり、送る必要のない相手に送ったりすると相手を戸惑わせるかもしれないので、ここで整理しておきましょう。

  • 1.送る時期
    一般的には11月中旬から12月初旬までに投函するのが好ましいです。相手が年賀状を用意する前に届けることで、余計なトラブルを避けられます。

  • 2.送付対象
    普段から年賀状をやりとりしている友人・知人、ビジネス上で年始の挨拶を交わす取引先や上司など。ごく近い親族にはあえて出さないケースが多いですが、遠方に住む親族やお世話になっている親戚などには送ることもあります。

  • 3.遅れた場合の対処法
    12月後半など、どうしても間に合わないときは年が明けてから寒中見舞いとして報告する方法もある。気づいた時点で無理に出そうとせず、立春までに余寒見舞いに切り替えるなどの選択肢を検討する。

喪中はがきを簡単に作成できるおすすめソフト

手書きで一枚ずつ書くのが大変、あるいはデザインや宛名印刷を効率よく済ませたい場合、はがき作成ソフトが便利です。

以下に定番・人気の高いソフトをいくつかピックアップしたので、参考になれば幸いです。

筆王 Ver.30|低コストで豊富なテンプレートを利用できる

<特徴>

  • ・他のソフトに比べ価格がリーズナブル
  • ・喪中はがき向けの落ち着いたテンプレートが多数収録
  • ・PC版とスマホアプリ版があり、操作が直感的で分かりやすい

<おすすめポイント>

初めてはがき作成ソフトを導入する場合でも安心できる、リーズナブルな価格設定と扱いやすさが魅力です。多彩なデザインを選ぶだけで、雰囲気のある喪中はがきをスムーズに作れます。

筆ぐるめ 33|初心者でも使いやすいシンプルな年賀状ソフト

<特徴>

  • ・画面構成がシンプルで、操作に迷いにくい
  • ・住所録管理機能がしっかりしていて、大量の宛名を扱いやすい
  • ・低価格帯でコスパが良く、デザインテンプレートも豊富

<おすすめポイント>

パソコンがあまり得意でない場合や、年賀状作成ソフトを初めて使う際におすすめです。画面に表示される指示に沿って必要事項を入力するだけで、簡単に喪中はがきを作れます。

筆まめ Ver.36|フォーマルなデザインも豊富な定番ソフト

<特徴>

  • ・古くから定番として親しまれ、信頼度の高いソフト
  • ・ビジネス用途に対応しやすいフォーマルなデザインや、寒中見舞い向けのテンプレートが充実
  • ・レイアウトやフォントのカスタマイズが細かくでき、細部までこだわりたい場合に最適

<おすすめポイント>

ビジネス相手や上司などに送る喪中はがきには、落ち着いたデザインやきちんとしたレイアウトが必要かもしれません。そうした場面では、細かい調整が可能な筆まめが頼りになります。大量の宛名を一度に処理できる住所録管理機能も充実しているので、効率よく作成していくことが可能です。

宛名職人 Ver.32|Macユーザーに最適な喪中はがき作成ソフト

<特徴>

  • ・Mac専用ソフトとして長年の実績がある
  • ・Apple連絡先との連携がスムーズで、住所録の取り込みが簡単
  • ・デザインやレイアウトをおしゃれに仕上げやすく、印刷作業まで軽快に進められる

<おすすめポイント>

Windows向けのソフトが多い中、Macユーザーにとっては宛名職人が定番です。iCloudに保存している連絡先をそのまま利用できるため、住所録を改めて作る負担も省けます。UI(ユーザーインターフェース)がMacの操作感に合わせて作られているので、難しい手順を覚える必要もありません。

まとめ|正しい書き方を理解し、適切な喪中はがきを送ろう

喪中はがきは、「新年を寿ぐ気持ちにはなれない」という状況を相手へきちんと伝えるための大切な挨拶状です。誰がいつ亡くなったかを簡潔に示し、年賀状を遠慮する旨と感謝の言葉を添えることで、相手も気持ちを理解してくれます。送る時期は11月中旬から12月初旬が理想で、普段年賀状をやりとりしている方やビジネス関係の相手にはなるべく早く届けましょう。

夫婦連名や家族単位で送る際は、名前の順番や故人との続柄を工夫して、相手が戸惑わないようにするとスマートです。大量に作成したい場合や短時間で完成度を高めたいときには、はがき作成ソフトが便利です。低コスト重視なら筆王、初めて利用する場合には筆ぐるめ、細かいレイアウトまでこだわりたい場合には筆まめ、Macユーザーには宛名職人が人気です。

ただ何よりも大切なのは、相手への思いやりと故人をしのぶ気持ちを正しく伝えることです。決まりごとに縛られすぎる必要はありませんが、最低限のマナーを押さえながら、自分らしい言葉で書くと伝わりやすいでしょう。