喪中はがきの書き方

年賀状とは違い、喪中はがきは作る機会が少ないので、いざ作る時に悩むこともあるでしょう。ここでは、喪中はがきのマナーについてご紹介します。

喪中はがきの書き方

年賀状とは違い、喪中はがきは作る機会が少ないので、いざ作る時に悩むこともあるでしょう。ここでは、喪中はがきのマナーについてご紹介します。

その1/年賀欠礼の挨拶

喪中はがきは、1年以内に身内に不幸があった時、喪に服すため新年の挨拶ができない(年賀状を出せない)ことを知らせるためのものです。喪中はがきを書く際には、年賀欠礼状としてふさわしい内容を意識しましょう(年賀欠礼とは、新年の挨拶を失礼するという意味)。
「身内に不幸があり喪に服している、悲しんでいることから、祝いの言葉を添える年賀状は出せません」と伝わる、儀礼的な書き方が適しています。

基本的には、次の2点がわかる文章を作成します。

  • 喪中であること
  • 新年の挨拶を遠慮すること

文例

「喪中につき 新年のご挨拶をご遠慮申し上げます」

「喪中につき 年頭のご挨拶をご遠慮させていただきます」 など

その2/故人について

年賀欠礼の挨拶の次には、喪中となっている理由を説明する必要があります。具体的には故人について、以下のポイントを簡潔に述べます。

  • 誰が:「父が」「母〇〇(名前)が」など
  • いつ:「本年〇月に」など
  • 何歳で亡くなったのか:「〇〇歳にて永眠致しました」など

誰が故人となったのかを書く部分は、名前を入れなくてもマナー違反にはなりません。故人の名前の他、差出人との続柄を書くケースもあります。
いつ亡くなったのかも、必ずしも詳しい日時を書く必要はなく、大まかな時期で十分です。「去る〇月」「本年」「令和〇年」と、月や年を書きます。
亡くなった時の年齢は、地域や宗派によって書き方が異なる場合もあり、事前に確認しておくことをおすすめします。

一般的には満年齢で書き、享年を書く場合は数え年で書きます。

その3/結びの挨拶

最後は、結びの挨拶を書きます。基本的には、故人が生前お世話になったことへの感謝の言葉や、今後も良いお付き合いを願う言葉が適切です。

結びの挨拶を考えるときは、以下の3つのポイントを押さえて考えるとすっきりとした文章ができあがります。

  • 送り先への感謝の言葉
  • 送り先の健康や無事を祈る言葉
  • 今後のお付き合いをお願いする言葉

具体的な例は、以下のとおりです。

文例

「これまで賜りましたご厚情に故人になり代わりまして厚く御礼申し上げます」

「生前故人に賜りましたご厚情に深謝し謹んで御礼申し上げます」

「ここに生前のご厚情を深謝いたしますとともに明年も変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」 など

他にも、「皆様が健やかなる新年をお迎えになりますよう心よりお祈り申し上げます」など、送り先が良い新年を迎えられるような言葉を添えても良いでしょう。

喪中はがきを出すタイミングは体調を崩しやすい時期でもあるため、「なお時節柄一層のご自愛のほどお祈り申し上げます」と送り先の健康を気遣う言葉も適しています。

その4/日付

結びの挨拶を書いたら、最後に1行ほど空けて日付を入れます。日付を記載するときの注意点は、次のとおりです。

  • 故人が亡くなった日は書かない
  • 喪中はがきを出す日を書く
  • 月日まで厳密に書く必要はない
  • 和暦で書く(西暦表記は避ける)

付は故人が亡くなった日ではなく、あくまで喪中はがきを出す日(年賀欠礼を伝える日)です。基本的に縦書きのため、漢数字で和暦を用いて書きます。
差し出す日がはっきりと決まっている場合は月日まで書いても問題ありませんが、予定どおりに喪中はがきを出せるとは限りません。無理に月日を厳密に書かず、「令和〇年〇月」と年月までの表記に留めておく程度で十分です。
喪中はがきは年内に届けば問題ありませんが、相手が年賀状の準備をする前には届くよう、遅くとも11月中旬~12月上旬までに出す必要があります。

年末に不幸があった場合は喪中はがきや年賀状は出さず、1月7日以降の松の内が明ける時期に寒中見舞いを出します。年末に不幸があったこと、新年の挨拶を失礼したことを伝えましょう。

その5/差出人

故人の名前を見れば分かる相手であっても、差出人を書き忘れないよう注意してください。名前と住所、電話番号の3つを書くのが一般的です。

個人名か、連名か

喪中はがきの差出人名は、個人名を書いても連名で書いてもマナー違反にはなりません。夫婦連名で書くときは、年賀状と同じ順(夫、妻)で書くのが一般的です。親子の連名で出す場合は親、子の順で書きますが、基本的には夫婦連名もしくは代表者の名前で出します。また、夫婦連名で出す場合は故人との続柄が分かるように、差出人の一番右の人に合わせて書きます。たとえば夫の父が亡くなった場合、本文は「父」または「実父」が亡くなったと書きますが、妻の父が亡くなった場合は「義父」と書くのが正解です。

差出人は喪中はがきの宛名面とメッセージ面のどちらに書いても問題ありません。ただし、両面に書くとしつこい印象を与えるので、どちらか書きやすい面を選んで書きましょう。

宛名面に書く場合

差出人を宛名面に書く時は、切手の下の部分に書きます。宛先の住所や名前があるので、宛名よりも小さい文字になるよう意識して書きます。バランス良く見せるためには、下部にある差出人用の郵便番号を書く枠を基準にすると良いでしょう。郵便番号の枠よりも右側に、はみ出さないようなサイズで差出人を書くと、きれいに収まります。

メッセージ面に書く場合

メッセージ面に差出人を書くときは、挨拶文、本文、日付の後に記載します。位置は、喪中はがきの向き、本文の向きによって次のように異なります。表に書くときと同じように、本文よりも若干小さい文字で書きましょう。

  • はがきも、本文も縦書き:左下に書く
  • はがきが縦、本文は横書き:下部の中央に書く
  • はがきも、本文も横書き:右下に書く

喪中はがきを書く際の注意点

喪中はがきには、独特の作法があります。例えば、通常の手紙は句読点を用いますが、喪中はがきは句読点を入れずに書くのが一般的です。行頭も1文字下げずに書きます。他にも、喪中はがきを書くときは次の2つのポイントに注意しましょう。

前文を省略する

通常の手紙は前文、主文、末文の3つの構成でできています。喪中はがきでは、主文から書き始めるため、手紙のような頭語や結語、時候の挨拶は不要です。

頭語は「拝啓」など最初に書く言葉で、結語は頭語に合わせて本文の最後に書く「敬具」などの言葉です。中には前文を省略する「前略」もありますが、喪中はがきの場合は書かなくて問題ありません。

年賀欠礼についてのみ記載する

親しい友人に送るとき、近況を報告したり手書きのメッセージを入れたりしたくなるものですが、喪中はがきにそうしたことを書くのはマナー違反にあたります。喪中はがきは最低限の用件のみで出し、近況報告は改めて別のはがきや手紙、電話などで伝えましょう。

また、はがき作成ソフトには、慣れない喪中はがきの作成の手助けとなるように、テンプレートや例文も多く収録しています。お困りの際にはぜひこうした機能を使いましょう。

はがき作成ソフトの喪中はがき作成の支援

  • 喪中欠礼用のデザインを豊富に収録
  • 自動で宛名をレイアウト
  • 喪中はがき向けの定型文が利用可


ソースネクストのはがき作成ソフトと特徴

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まとめ

事前に喪中であるとお知らせして新年の挨拶をしない失礼を詫びつつ、相手が知らずに年賀状を出してしまう気まずさを避ける。1枚の喪中はがきにはそんな心遣いがこもります。作法を押さえた喪中はがきで、良い年を迎えられるようにしたいものです。